連載 依頼理由別に考える心臓超音波検査とりあえずエコーの一歩先へ・12
依頼理由{その11}—忘れられた部屋,右室の機能評価
鶴田 ひかる
1
,
香坂 俊
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
pp.1960-1967
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200042
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皆さん,2年間続いてきたこの連載もいよいよあと2回となりました.どうかよろしくお願いします.今号では,右室機能障害が主体となる病態について,皆さんと一緒に勉強していきたいと思います.
ふり返ってみるとこれまでの稿はほとんどが左室の機能なり病態なりを取り上げてきました.左室は力強い筋肉で構成され,血液を力強く送り出す円筒形のメインポンプです.一方,右室の壁は薄く,左室に寄り添った(≒へばりついた)カタチをしており,補助的な容量ポンプの役目を果たしています.これは,左室が血管抵抗の高い動脈に血液を駆出しなければならないのに対し,右室は血管抵抗が6分の1程度の肺動脈に血液を送り出せば済む,ということに由来する心臓のなかの上下関係です.
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