連載 研修おたく海を渡る・60
薬が足りない!―こんなところまで影響が
白井 敬祐
pp.2237
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104956
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9月の初めに腫瘍内科で緊急会議が開かれました.抗がん剤が来週から手に入らないかもしれないというのです.アドリアマイシン,エトポシド,シタラビンという昔からありかつ今でもkey drugとなっている3つの薬が手に入らなくなるという通知がありました.薬の原料の入荷が遅れているとか,製造ラインに汚染があったとか,はたまた経営上の判断から製造が中止されたなどの噂が流れましたが,真相を知る人は誰もいないようでした.
今後これらを使う場合は前もって必ず薬剤部に投与レジメン,実際の投与量,治療日程を連絡するという取り決めがされました.FDAからも製造元からもはっきりとした理由は明かされないまま,在庫量,予定使用患者,どのように分けるか,何月何日に○mg入荷予定といった情報が毎週更新されました.また代替薬となるエピルビシン,経口エトポシドなどの在庫情報も添えられました.
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