連載 The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則・15
24歳女性 主訴 自殺企図
長谷川 耕平
1,2
,
岩田 充永
3
1ハーバード救急部 マサチューセッツジェネラル病院
2ブリガム&ウィメンズ病院
3名古屋掖済会病院救命救急センター
pp.2038-2043
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104912
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救急レジデントH:
うつ病の既往をもつ24歳の女性が母親に出された処方薬を大量摂取し救急車搬送となりました.今日ボーイフレンドと喧嘩をし,死にたくなって目の前にある薬を飲んだようです.服用は1時間前で,何を飲んだかはわからないとのこと.嘔気とめまい感があるほかは特に無症状で胸痛,腹痛,痙攣などなし.既往歴はうつ病と自殺企図のみで,服薬はセルトラリンのみ.違法薬物は使用していないようです.
トリアージ時のバイタルサインは体温37.3℃,脈拍55回/分,血圧78/30mmHg,呼吸数16回/分,室内気酸素飽和度97%.血糖値は300mg/dl.意識清明で見当識障害なし.外傷痕なし.瞳孔径3mm,粘膜皮膚で特に乾燥,発汗はありません.
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