特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗アセチルコリン受容体抗体
鈴木 秀和
1
,
楠 進
1
1近畿大学医学部神経内科
pp.458-459
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104819
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アセチルコリン受容体(acetylcholine receptor:AChR)は,後シナプス膜に局在し,アセチルコリンを伝達物質としている.この受容体蛋白質AChRに対する抗体(抗AChR抗体)は重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)の発症機序の主役である.抗AChR抗体の存在は,AChR数の減少,シナプス間隙開大,シナプス壁単純化を引き起こし,運動終板電位の低下を招き,臨床症状として,易疲労感,脱力をもたらす.
抗AChR抗体には結合抗体と,阻止抗体があり,前者はAChRとα-bungarotoxin複合体に結合する抗体で,後者はα-bungarotoxinのAChRの結合を阻止する抗体である.一般的にMG患者では,結合抗体は阻止抗体に比して陽性率が高く,臨床的意義が高いとされている.
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