特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗アセチルコリン受容体抗体
鈴木 秀和
1
,
楠 進
1
1近畿大学医学部神経内科
pp.443-444
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101862
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アセチルコリン受容体(AChR)は,後シナプス膜(運動終板膜)に局在し,アセチルコリンを伝達物質としている.この受容体蛋白質AChRに対する抗体は重症筋無力症(MG)の発症機序の主役である.抗AChR抗体の存在はAChR数の減少,シナプス間隙開大,シナプス壁単純化を引き起こし,運動終板電位の低下を招き,臨床症状として,脱力,易疲労感をもたらす.
抗AChR抗体には結合抗体と阻止抗体があり,前者はAChR分子のα-ブンガロトキシン結合部位(すなわちアセチルコリン結合部位)以外の構造を認識する抗体であるのに対し,後者はアセチルコリン結合部位を認識する抗体である.
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