特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(2)LE細胞
横張 龍一
1
Ryuichi YOKOHARI
1
1国立熱海病院
pp.185-186
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900840
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はじめに
急性・活動期の全身性エリテマトーデス(SLE)の患者から採血して試験管内に2時間前後放置,凝血させた後,血塊を壊して白血球を集め,塗抹標本を作製してGiemsa染色を行い,特に辺縁部を注意して検鏡すると,紫紅色の封入体を持った細胞を多数認める.これがLE細胞現象である.LE細胞現象がSLEの診断に主要な意義を持っていたときには,この凝固法のほかに,ヘパリンで凝固を止めた血液を試験管内でガラス玉とともに1~2時間回転させた後,白血球を集めて同様の染色を行う方法もあった.ヘパリン法のほうがきれいなLE細胞を見いだせるとされているが,方法の繁雑さのゆえに現在ではあまり行われていない.ちなみに,EDTA (エチレンジアミン四酢酸)で凝固を止めた場合には,補体がまったく関与できなくなるので,LE細胞の形成はない1).
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