特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
一般検査
糞便検査
寄生虫検査
丸山 治彦
1
1宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
pp.33-34
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104683
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
寄生虫検査における便検査の異常とは,便中に寄生虫の虫体,虫卵,幼虫,シスト(囊子),オーシストなどが検出されることである.シストあるいはオーシストとは原虫の感染型で,宿主外に排出されて次の宿主への感染源となる.検出されないのが正常であり,検出されればそれだけで寄生虫感染の証明になる.
便検査で感染が証明される寄生虫は,基本的に消化管およびその付属器(肺や胆管など)に寄生するもので,赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫(ジアルジア),クリプトスポリジウム,イソスポラ,横川吸虫,広節(日本海)裂頭条虫,糞線虫,鞭虫,回虫などである.肺吸虫や住血吸虫も便中に虫卵を検出できることがある.
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