特集 日常検査法の基礎知識と実技
細菌学
寄生虫検査の基礎
大島 智夫
1
1国立公衆衛生院寄生虫衛生昆虫室
pp.1109-1114
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915836
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I.寄生虫検査における虫卵検査法の限界
寄生虫検査といえば,なんでもかでも検便だけというのは,寄生虫に関してきわめて貧弱な知識しかもたぬ証拠で,これでは信頼できる寄生虫検査ができるはずがない。糞便中に虫卵が出現するはずのない多くの人体寄生虫は全く意に介せられることなく,糞便のずさんな検査で寄生虫陰性と報告されるのが多くの病院検査室の実情であり,なぜこの寄生虫の検査にはこの方法を使用するか,また多くの寄生虫の寄生の可能性があるばあいにいかなる検査法を組合せて検査すべきか等の基礎知識を確実に把握しておき,寄生虫検査のうち検便による虫卵検査はその一部であることをよく知っておく必要がある。そのため下記のごく簡単な生物学的事項は検査法に関連してぜひわきまえておかねばならぬ。
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