増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
一般検査
糞便検査
寄生虫検査
藤田 紘一郎
1
1東京医科歯科大学医学部医動物学
pp.95-99
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906263
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近年,新興・再興感染症(emerging and reemerging infectious diseases)という言葉をよく耳にするようになった.過去20年以内にヒトにおける罹患率が上昇したか,近い将来増加が懸念される感染症としてWHOがその概念を提唱し,感染症対策に新しい対応が求められるようになったためである.わが国ではほとんど消滅したと思われていた寄生虫病が再び増加傾向にある.グルメブームや海外旅行ブームなどがその背景にあると思われる.
水道水汚染によるクリプトスポリジウムの集団感染や熱帯・亜熱帯地域からの帰国下痢症者のランブル鞭毛虫感染など,糞便検査の重要性が再確認されている.本稿では,消化管寄生原虫類,蠕虫類について糞便検査の概略とその際の注意点,検査法について述べる.
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