特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
一般検査
尿検査
尿沈渣検査
中田 純一郎
1
,
富野 康日己
1
1順天堂大学医学部腎臓内科
pp.27-29
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104681
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
尿沈渣中にみられる有形成分は,腎に由来する各種円柱,腎・尿路系の各部に由来する赤血球・白血球・上皮細胞・異型細胞・細菌,そのほか尿中に析出する各種結晶,投与薬剤の結晶など,多種多様である.沈渣の種類とその量を鏡検することは,腎・尿路系疾患の鑑別とその程度を知るうえできわめて重要である.
尿1lあたり1mlの血液が混入すると,肉眼的血尿として認識されるが,それ以下の場合は潜血反応または沈渣の鏡検で証明される(顕微鏡的血尿).腎実質,尿路いずれにおける病変でも,出血源となりうる.赤血球は,原因疾患によってその形態が異なる.すなわち,腎外性(尿路系から)の出血では,通常,円形かつ均一で赤血球円柱を認めないが,糸球体疾患による血尿(糸球体性血尿)では多彩に変形し,大きさは小さくなることが多い.
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