今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた
処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review
大腸内視鏡前処置による急性高リン腎症
大石 大輔
1
1聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
pp.1064-1067
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104498
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症例検討
症例 65歳,男性.
現病歴 約14年前に発症し,腎生検にて診断が確定しているIgA腎症の患者.外来通院していたが,徐々に腎機能障害の増悪を認め,入院1カ月前には血清クレアチニン(Cr)値は5.14mg/dlまで上昇.前日より嘔気,嘔吐を認め,症状が改善しないため当院を受診し,即日入院となった.推算GFR 10ml/min/1.73m2以下であり,腎代替療法の情報提供を行うと同時に合併症精査を行っていった.入院第8病日,大腸内視鏡施行のため,経口リン酸ナトリウム緩下薬を内服したところ,第9病日に血清リン(P)の急激な上昇(5.6→12.1mg/dl)と同時に,血清Crの上昇(5.75→6.80mg/dl)を認めた.
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