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特集 リン代謝研究の最新動向と臨床的意義
高リン血症が骨代謝に及ぼす影響
-――二次性副甲状腺機能亢進症を伴う慢性腎臓病における骨病態
Effect of hyperphosphatemia on bone metabolism
長谷川 智香
1
,
山本 知真也
1
,
網塚 憲生
1
Tomoka HASEGAWA
1
,
Tomomaya YAMAMOTO
1
,
Norio AMIZUKA
1
1北海道大学大学院歯学研究院硬組織微細構造学教室
キーワード:
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)
,
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)
,
線維性骨炎
,
皮質骨多孔化
,
骨細胞
Keyword:
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)
,
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)
,
線維性骨炎
,
皮質骨多孔化
,
骨細胞
pp.573-577
発行日 2025年8月23日
Published Date 2025/8/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294080573
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慢性腎臓病(CKD)では,腎機能低下に伴うリン(Pi)蓄積により高リン血症が生じ,副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が亢進することで,二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)を合併したCKDに伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD,以下,CKD-SHPT)が発症する.本病態では,線維性骨炎や皮質骨多孔化といった骨病態が生じる.線維性骨炎ではPTHによる高骨代謝回転状態により骨芽細胞や破骨細胞が増加し,骨量増加がみられる.一方,皮質骨多孔化では,骨細胞死や骨細胞性骨溶解,石灰化抑制などの骨細胞異常が多孔化の発症に関与し,PiとPTHが相互的に作用することで病態を悪化させることが示唆されている.これらの知見から,PiおよびPTHの適切な管理がCKD-SHPTの骨病態抑制に有効であると考えられる.

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