今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた
知っておきたい酸塩基・電解質の生理学の基本
酸・塩基平衡異常
柴垣 有吾
1
1聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
pp.939-945
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104472
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ポイント
★不揮発性酸(HA⇆H++A-)は主に蛋白質(特に硫黄やリン含有アミノ酸)の肝臓での代謝により1日体重1kg当たり1~1.5mEq生じる.
★体内で生じた不揮発性酸のプロトン(H+)は腎の近位尿細管で中性アミノ酸グルタミンの分解から生じたHCO3-によって緩衝を受け,CO2となって呼気中に排泄される.
★グルタミンの分解で生じたHCO3-の片割れであるNH4+は不揮発性酸(HA)のプロトンの片割れであるA-とともに尿中に排泄される.
★A-が体内に残存している限りは,酸の排泄がなされていないことを示している.AがClであれば,高Cl性アシドーシスとなるし,AがCl以外であれば,いわゆるアニオンギャップの上昇としてとらえることができる.
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