書評
《総合診療ブックス》皮膚科医直伝 皮膚のトラブル解決法
伊藤 澄信
1
1国立病院機構
pp.311
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104343
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自分が医学生のころ,脂漏性皮膚炎を患っていたことがある.左頬部にできた,ときどき悪化する皮疹が皮膚科のテキストをみてもわからずにいたことを思い出す.通常の教科書は疾患の頻度に応じて記述の順番や量が配慮されていないために,初学者が診断にたどり着くのは容易ではない.この本があれば悩まずに済んだのに,と思う.
通常の皮膚科の教科書は疾患の頻度を無視して記載してあるから,目の前の患者さんがどの疾患なのかを判断することは容易ではない.プライマリ・ケアに必須なのは頻度の高い疾患の診療と見落とすと致命傷になる疾患の初期対応である.この本のすばらしさは,遭遇する頻度の高い皮膚疾患とその対応策が述べられていることにある.とくに稀でも落とし穴が隠れている場所と対応策を重点的に書いてある本なんてそうざらにあるものではない.
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