特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
脳
各論
頭蓋冠・髄膜
土屋 一洋
1
1杏林大学医学部放射線医学教室
pp.82-89
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104167
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正常解剖
●頭蓋冠
頭蓋腔を円盤状に被うのが頭蓋冠(calvaria)である.頭蓋のうち,顔面骨や頭蓋底を除いた部分で,頭頂骨と前頭骨・側頭骨・後頭骨の鱗部からなる.緻密質からなる外板と内板の間に,海綿質からなる板間層がある3層構造になっている.
外板の表面は平滑で,帽状腱膜がこれを被う.板間層には各所に静脈を容れた板間管があり,外板または内板に開口する.また,板間層には骨髄が存在し,そのMRIでの信号強度は年齢などで変化する.すなわち,赤色髄が占めるとT1強調像で低信号を示し,これは1歳以下では正常所見である.その後おおむね7歳前後まで,脂肪髄化に伴い次第に高信号化する(図1).赤色髄はGd造影剤で増強効果を示す.内板の内面は各種の凹凸がある.これには脳回による指圧痕,脳溝による脳隆起,硬膜の動静脈による動・静脈溝,硬膜静脈洞による上矢状洞溝や横洞溝などがある(図2).
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