Japanese
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連載講座 個体の生と死・11
頭蓋冠発生と頭蓋骨癒合症
Skull Development and Craniosynostosis
井関 祥子
1
,
江藤 一洋
1
Sachiko Iseki
1
,
Kazuhiro Eto
1
1東京医科歯科大学歯学部発生機構制御学講座
pp.145-151
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901685
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頭蓋骨癒合症は頭蓋部縫合の早期閉鎖を主徴とし,約2,500人に1人の発現頻度で起こる先天異常である。これまでに100を超える症候群が報告されており,決して稀な先天異常ではない。頭蓋骨癒合症のすべての症例中,約60%は単発性に起き,ほかに合併症が見られないことから遺伝的なものではないと考えられている。残りの約40%には遺伝的要因があると考えられてきた。これまでに頭蓋骨癒合症の原因となる変異が,線維芽細胞増殖因子受容体(fibroblast growth factor receptor,以下FGFRと略) FGFR 1,FGFR 2,FGFR 3,TWIST,MSX 2,およびGLI 3に見出されている。いずれの遺伝子も哺乳類が発生する上で重要な役割を果たすことがすでに知られており,改めてこれらの遺伝子の頭蓋冠発生に果たす役割が注目されている。
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