書評
Dr. ウィリス ベッドサイド診断―病歴と身体診察でここまでわかる!
伴 信太郎
1
1名大・総合診療部
pp.1612
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104111
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ウィリス先生(Dr. G. Christopher Willis)のご高名には,本書の監訳者である松村理司氏の興味深い逸話の紹介を通して10年以上前から接していた.そのウィリス先生が「医学生や若い医師に臨床診断を教えるために作ったノートをまとめたもの」(「」は著書からの引用)が本書である.ウィリス先生のことを少しでも知っている人(評者のように直接お会いしたことはないが評判は聞いていたという人がおそらく多いと思う)にとっては,垂涎の書といってよい.
本書は,外来のテーブルにおいて症候に応じた鑑別診断を探したり,一冊を始めから終わりまで読み通したりするタイプの本ではない.一例をじっくり症例検討する時に,本書の関連箇所を開くと,ウィリス先生の「ほぼ50年に及ぶ臨床医としての経験が凝集されている」アドバイスに接することができる.少し時間的余裕がある時でないと読みこなせない深さがある.
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