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ウィリス先生の回診・4
松村 理司
1
Tadashi Matsumura
1
1市立舞鶴市民病院内科
pp.520
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900163
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クリプトコッカス髄膜炎
症例
「80歳の女性です.生来医者知らずで,30歳での急性虫垂炎切除の既往があるだけです.4日前までは元気で,ときどき農作業をしていました.3日前に,特に誘因もなく食思不振が出現しています.昨日には全身倦怠感も強くなり,臥床がちとなりました.本人は,"年寄り病です.ごはんも,いつもよりは少ないけれど食べられます.入院はいやだ.もう先は長くないのだからかまいません.家に帰りたい."といっていますが,臥位から坐位への自力変換や坐位保持もできませんし,家族も,"この数日間の変わりはてようがひどい."と強く心配され,入院となりました.」
「身体所見ですが,体温は35.1℃,脈拍は92/分で不整,呼吸数は18/分,血圧は180/90mmHgです.意識は清明です.結膜に貧血や黄疸はなく,眼底に乳頭浮腫もありません.胸部には異常ありません.心臓では,左側S4があり,胸骨左縁でLevineII/VIの駆出性雑音を聴取します.腹部,背部,直腸診,皮膚,神経系に異常を認めません.全体として,特異的な所見はありません.」
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