今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
呼吸器・重症管理
呼吸器疾患のキーポイント
八重樫 牧人
1
1亀田総合病院総合診療・感染症科
pp.1433-1435
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104047
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■ばち指をみたら,①肺癌,②気管支拡張症,③肺膿瘍,④囊胞性線維症,⑤特発性肺線維症を考える
ばち指は両側かつ対称性の爪の変形で,骨膜症や関節炎を伴う場合に肥大性肺性骨関節症(hypertrophic pulmonary osteoarthropathy:HOA)という.慢性気管支炎,肺気腫,喘息ではばち指はみられないので,特に喫煙歴など肺癌のリスクが高い慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者では,ばち指をみたら胸部CTを撮影し肺癌を除外する.
機序については議論が分かれるが,血小板由来増殖因子(platelet-derived growth factor:PDGF)や血管内皮細胞増殖因子(vascular endthelial growth factor:VEGF)が関与しているという説がある.肺癌の切除でばち指も改善する1).
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