今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
総合診療
総合診療のキーポイント
徳田 安春
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
pp.1398-1400
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104039
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■大量出血・高度脱水の患者では血圧正常の場合,ティルト・テストを行う
消化管出血,腹腔内出血,下痢,嘔吐などの患者では,出血・脱水が進行すると,低容量性ショック(血圧低下+主要臓器循環不全)をきたす恐れがある.血圧低下が起こる前の段階(プレショック)を捉えることができれば,適切で迅速な治療判断を行うことができる.そのためにはティルト・テスト(Tilt test)を行うとよい.臥位から座位へヘッドアップ(ギャッチアップ)し,3分以内のバイタルで,収縮期血圧(systolic blood pressure:SBP)が20mmHg以上低下するか,心拍数(heart rate:HR)が20/分以上増加すれば陽性であり,プレショックの診断となる.また,仰臥位でも,HRがSBPより大きい場合には「バイタルの逆転」と呼び,これもプレショックを示唆する.もし夜間帯などで,上部消化管出血の患者が来院した場合,ショックバイタルでなくても,必ずプレショックの有無を確認する.ティルト・テストが陽性であれば,緊急上部消化管内視鏡検査の適応である.
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