今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
血液・腫瘍
血液疾患・腫瘍のキーポイント
田村 和夫
1
1福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学
pp.1418-1420
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104043
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■小球性貧血は鉄欠乏性貧血ばかりではない
慢性炎症,悪性腫瘍などに伴う慢性貧血はしばしば小球性を呈する.血清鉄は低いが総鉄結合能(total iron binding capacity:TIBC)も低く,フェリチンは原疾患のため高い.体内の鉄量は十分にある場合が多く,鉄剤投与,特に非経口的な投与をしてはならない.稀に軽症型サラセミアを経験するが,この場合,家族歴を聞くと,家族内にも貧血患者がみられる場合がある.本疾患では軽い貧血のみで症状はなく,血清鉄,TIBC,フェリチンは正常である.
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