今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
高齢者医療
高齢者診療のキーポイント
星 哲哉
1
1手稲渓仁会病院総合内科
pp.1424-1426
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104045
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■IADL障害は認知症の始まりを見ている可能性がある
手段的日常動作(instrumental activities of daily living:IADL)とは①電話を使う,②薬の管理,③金銭管理,④公共の交通機関の利用,⑤買い物,⑥洗濯,⑦給仕,⑧趣味活動,などの日常生活上の複雑な動作を指す.これらをすべて自分ひとりでできるときにIADLが自立しているという.認知症の初期では短期記憶障害に加えてIADLにも障害が出てくることが多い.
認知症の患者は自分で“認知症が心配で……”と訴えてくることはまずない.むしろ,薬の飲み忘れが多くなった,いつもはバス・電車を乗り継いで来る高齢者が特別な理由もなくタクシーで乗りつける,などの些細な認知症(かもしれない)サインを見逃さないことが大切である.
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