今月の主題 内分泌疾患を診るこつ
扉
出雲 博子
1
1聖路加国際病院内分泌代謝科
pp.857
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103923
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一般病院で,一般内分泌代謝外来をやっていると,いろいろな内分泌疾患の患者さんが紹介されてくる.初めから自分が内分泌代謝疾患をもっているのではないかと思った患者はほとんどいない.どこか悪いので医者にかかりたいのだが,何科にかかったらよいのかわからなかったというケースが多い.そして,たまたま最初に受診した医師が内分泌疾患を疑ってくれれば運が良くて,すぐ内分泌科に紹介され,われわれ内分泌専門医は“2番目にかかった医者”となる.しかし,多くの患者さんが「4つか5つの科にかかってみたのですが,何ともないと言われ,先生は5人目です」などとおっしゃる.それは,医師であっても,症状から内分泌疾患を疑うのが苦手な医師が多いことを意味するのだと思う.
病気には,癌などのように発見するのは比較的ストレートにいくが治すのが難しいタイプの病気と,いったん発見されさえすれば治療はストレートだが発見されずに見逃されやすいタイプの病気とがある.内分泌疾患は後者に入るものが多い.
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