連載 研修おたく海を渡る・37
Tumor Boardのお作法(2)
白井 敬祐
pp.192
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103765
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Tumor Board のお作法を書き上げているころ,タイミングよく「どうすればTumor Boardをもっと有意義なものにできるか」という話し合いがありました.長かったり退屈だとおもしろくない映画や劇のように,ひとりふたりと参加者が減っていきます.週1回1時間だと短すぎるけど,週2回は忙しすぎて集まれない,2時間だと長すぎるし,じゃあ90分でやってみようなんて話をしていたのです.
すると「エビデンスに基づかない意見は控えたほうがいい」という提案が若手スタッフからありました.「ごもっとも」とそのまま流れかけたのですが,それに対して,「一つひとつのケースを細かく見ると,エビデンスを当てはめることができないことがよくある.またエビデンスをつくること自体が難しいような稀な症例もあるのだから,“anecdotal(逸話的)な”話もばかにしてはいけない」と経験豊富な外科医からの反論がありました.
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