連載 研修おたく海を渡る・18
Tumor Board
白井 敬祐
pp.1197
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102802
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僕のいる大学病院のがんセンターでは,必要であれば一回の外来受診で腫瘍内科医,腫瘍外科医,放射線治療医の診察を受けられるシステムになっています.同じフロアに同時に三者がそろい,その場で意見の交換ができることが特徴です.ただ診察代は3倍になってしまうのですが…….そこで意見を交換してもまだ意見が分かれる,すなわちいろいろな解釈ができる症例は,Tumor Boardと呼ばれる週一回開かれる症例検討会でさらに話し合われます.
腫瘍内科医,腫瘍外科医,放射線治療医に加えて,さらに放射線診断医,病理医,また看護師,ソーシャルワーカー,臨床治験コーディネーターも参加します.乳癌,頭頸部癌では,再建にかかわる形成外科医も加わります.ここでは,がんの状態だけではなく,患者さんの状態,家族のサポートがしっかりしているのか,いないのかといった社会的状況も考慮に入れたうえで,治療の選択肢を探っていきます.
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