特集 目でみる診療基本手技
診療手技
小外科的治療手技
止血法(hemostasis)
大谷 泰雄
1
1東海大学大磯病院外科
pp.186-188
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103700
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出血は多量になると生命に危険を及ぼす可能性がある.また,術中などの小出血では術野の妨げになり,出血点を確認し,確実に止血していくことが重要である.創傷からの出血を最小限にとどめることは,外傷においても手術においても重要であり,確実な止血は外科の基本である.
種々の止血法があるが,出血の部位による分類では,血管(大血管・小血管・毛細血管)からの出血と実質臓器(肝臓・脾臓・腎臓)からの出血に分かれる.出血の状態により鮮紅色の血液が勢いよく流出する動脈性出血,暗赤色の血液が徐々に流出する静脈性出血,血液がにじみ出てくる毛細血管性出血に分かれる.実質臓器である肝臓などの血液に富む臓器からの出血は動静脈出血で実質性出血という.また,手術後の後出血やうっ滞性出血は手術や損傷の直後から数日以内に起こる出血で,手術における止血が不十分な場合や合併症が存在するときに起こる可能性がある.
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