特集 目でみる診療基本手技
診療手技
注射法
皮内反応(抗生物質は除く)
山口 正雄
1
1東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ内科
pp.90-93
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103682
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ポイント
皮内反応という用語を耳にして,「無意味かつ危険な検査であることが白日の下に晒されて,この世から消え去ったはずでは」と思う方がおられたら,それは大きな誤りであることを最初に指摘しておきたい.アナフィラキシーや喘息を代表例とする即時型アレルギーにおいて,抗原を気軽に全身に投与して激烈な症状を誘発してみるのは危険すぎる.皮膚だけに限局した反応を起こすことにより過敏反応を証明する手法については,まさに先人の知恵といえるものである1,2).pubmedにて「anaphylaxis」,「intradermal test」,「human」の掛け合わせで検索すると,最近10年間とその前10年間,さらにその前の10年間でほぼ同数の論文が見つかってくるので,決して消えゆく検査ではない.もちろん,他のさまざまな検査と同様に危険性はあり,当然のことながら投与量が多すぎないように注意を払う必要がある.
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