診断のポイント
アレルギーの皮内反応
石崎 達
1
1国立予防衛生研究所寄生虫部
pp.513-515
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201729
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皮内反応の理論
いわゆるアレルギー素因のある人では吸入・食餌・注射など方法のいかんを問わず体内に入つてきた異物質に対してレアギン(Reagin-皮膚感作抗体)という特殊な抗体をつくる性質がある。たとえば室内塵を吸入して喘息の発作を起こしたり,卵を食べてじんま疹が出たりするのはこれらと特別に結合してアレルギー反応を起こすレアギンがあるからである。
抗原とレアギンの結合はどうしてアレルギー反応を起こすかというと,この結合は組織細胞にはたらいて蛋白結合あるいは非活性化しているショック物質を活性化する。人間では量的にはヒスタミンが主であるが,このほかにアセチルコリン,セロトニン,ブラデキニンなど多くの物質が知られている。ヒスタミンの場合は組織中の肥胖細胞(マストcell)の崩壊が多量のヒスタミン放出の原因となつている。
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