今月の主題 内科の基本 肺炎をきわめる
市中肺炎
定型肺炎,非定型肺炎の分類には臨床上の意味があるか?―Q. エンピリカルな非定型肺炎のカバーは必要か?
菅長 麗依
1
1亀田総合病院総合診療科
pp.1778-1781
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103545
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ポイント
●現時点で非定型肺炎をエンピリカルにカバーする有効性を示すRCTはない.
●しかし,一般病棟,ICU含めた入院患者でのカバーについては,死亡率低下という有効性を示した複数の研究結果があることから,IDSA/ATSのガイドラインでは強い推奨となっている.
●JRSの診断基準は,非定型肺炎の可能性を検討するためのものであり,除外するには不十分である(特異度を重視したもの).
●市中肺炎を定型および非定型のいずれかに区分するのは,治療を誤ってしまうことにつながる可能性があり,その限界に注意すべきである.
●ローカルファクター(地域における薬剤感受性パターン)は重要(マクロライド耐性肺炎球菌は米国では約3割,日本では約8割近くを占める.日本ではマイコプラズマでさえ約6%がマクロライド耐性).
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