Japanese
English
Current Opinion
非定型肺炎の診断をめぐって
Clinical Diagnosis of Pneumonia Caused by Atypical Pathogens
藤田 次郎
1
,
原永 修作
1
,
比嘉 太
1
,
健山 正男
1
Jiro Fujita
1
,
Shusaku Haranaga
1
,
Futoshi Higa
1
,
Masao Tateyama
1
1琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)
1Department of Medicine and Therapeutics, Control and Prevention of Infectious Diseases(First Department of Internal Medicine), Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
pp.681-685
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100822
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非定型肺炎をめぐる最近1年間の話題
1 異型肺炎,非定型肺炎から,非定型病原体へ
異型肺炎,定型肺炎,および非定型肺炎という用語そのものが歴史的に大きく変化しつつあるので,まずこれらの用語の定義に関して解説したい.
異型肺炎,または非定型肺炎という用語は定型肺炎と対比して確立された概念であるため,定型肺炎の定義について若干考察したい.歴史的には定型肺炎は,生命に関わるような重篤な肺炎であり,かつ広範な浸潤影を呈するものと考えられてきた.すなわち定型肺炎という用語は,その後に出現した概念である非定型肺炎と対比される古典的肺炎であり,かつ当時,肺炎球菌肺炎の頻度が極めて高かったことから,ほぼ肺炎球菌肺炎を表現する用語であるといえる.歴史的にみて,atypical pneumoniaを異型肺炎として訳していた当時の病原体は,マイコプラズマ,およびアデノウイルスによるものであった.その後,クラミドフィラ,およびレジオネラが発見され,atypical pneumoniaに対して非定型肺炎という訳語が用いられるようになり,その病原体としては,マイコプラズマ,クラミドフィラ,およびレジオネラの3つを含めることが一般的となった.
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