連載 研修医のためのリスクマネジメント鉄則集・1【新連載】
医師とリスクマネジメント(前編)
田中 まゆみ
1
1聖路加国際病院・一般内科
pp.166-167
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103192
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医療現場でのリスクマネジメントというと,いまだに「保身」,「防衛医療」,「名医なら患者との信頼関係で解決すべきこと」と顔をしかめる向きがあるが,性善説からくるとはいえ,まったく認識が誤っているというほかない.医療は航空機産業などよりはるかにハイリスク産業であり,飛行機に乗るたびに非常時のビデオを見せられることに違和感がないなら,検査のたびに死亡の危険性もあると説明を受けるのは当然であり,乗客が非常時の予備知識をもつほうがもたないより良いのと同様,むしろ患者にとって今からどのような危険に巻き込まれるおそれがあるのかを知るのは良いことなのである.
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