Laboratory Practice 〈一般〉
髄液検査の実際―前編
三村 邦裕
1
1千葉科学大学危機管理学部環境安全システム学科臨床検査学コース
pp.541-544
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102467
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はじめに
脳脊髄液(以下,髄液)は脳室および脊髄腔に存在する水様透明な液体で,中枢神経系の保護を行うとともにその代謝に重要な役割を果たしている.成人の髄液は100~150mlくらいで,1分間に0.3~0.5ml生成され,1日に4~6回入れかわる.髄液の組成は脳脊髄疾患の場合,著しい変化をきたす.そのため髄液の検査は中枢神経系の炎症や腫瘍の病態把握や診断,治療方針の決定そして治療効果判定などに役立つ重要な検査とされている.しかし,検査件数が少ないことや検査の煩雑さということから一般的な検査とは言えない.
そこで本稿では髄液検体の採取と取り扱い,細胞の分類と算定,そして髄液中の臨床化学検査について解説する.
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