しりあす・とーく 第5回テーマ
終末期医療と医師の倫理―(前編)
尾藤 誠司
1,2
,
田中 まゆみ
3
1国立病院機構東京医療センター・総合診療科
2国立病院機構本部研究課
3聖路加国際病院・内科
pp.864-874
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100160
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いわゆる「終末期医療」における,判断や医療行為には,医師の間にも「コンセンサス」と呼べるものが存在するとは言えず,医療現場の医師たちが,激しい葛藤と苦悩にさらされることも少なくない.また,「延命治療」や「延命治療の中止」に関する一般市民,メディアの関心は高まっており,医療界としても何らかの対応が求められている.
いま,医師は「終末期医療」について何を考え,何をしなければならないのか? 診療・研修指導の第一線で活躍する2人の医師に,「終末期医療と医師の倫理」をテーマに語っていただいた.
延命治療―臨床現場からの問い
■尾藤 私は,研修医時代を長崎で過ごしました.普賢岳の噴火があったころで,まさに救命救急の火事場の中いるような感じでした.そこで,生命ということについて考えるところがあり,ジェネラリストを目指そうと思い,後期研修で東京の病院へ来ました.
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