特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
心エコーの検査法と解剖
高頻度にみられる心腔内異常構造物
水上 尚子
1
1鹿児島大学病院臨床技術部
pp.42-50
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103042
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心エコー法において異常構造物を検出することは,ほかの画像診断と同様に最も基本的な,しかし診断能を左右する重要な作業である.まず断層像で「異常構造物に気づく」ためには,心臓と周辺組織の解剖をエコーの断面とともに立体的に把握しておかなければならない.しかし,実際の症例では異常構造物と判断するのが妥当なのか迷うことも多く,判断を誤ると,いわゆる「エコー病」をつくってしまう危険性さえある.異常構造物と判断するうえで重要なのは解剖的な位置関係だけでなく,構造物の動きやドプラ法による血流情報も含めて解釈していくことであり,これはほかの画像診断では困難なリアルタイムの動画を駆使して読影を行う心エコー法の特色でもあるともいえる.
ここでは日常,高頻度に心腔内の異常構造物として認識されやすいものについて紹介し,いかに記録し確認するのか,鑑別すべき構造物も含めて解説する.
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