特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅱ.超音波の基礎
Bモード法の原理と最近の装置
佐々木 明
1
1日立メディコマーケティング統括本部
pp.12-19
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103037
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超音波とは
コウモリやイルカは,超音波パルスを自ら発して前方の物体を認識する機構を内部に有している.超音波とは,人間の耳には聞こえない20kHz以上の縦波(粗密波)を称していう.超音波断層装置は1970年代に実用化され,21世紀に入りデジタル化されて性能は飛躍的に向上した.現在,電子技術の進化とともに高画質化,小型化へ向けてさらなる進歩を続けている.
超音波診断の長所は,非侵襲的にリアルタイムで二次元断面(断層像)の観察が可能(心臓の弁,壁,血管壁などの動きに有効)なことである.視野が限られるため,全体像の描出には適さないが,CT,MRIと比較すると断面選択が自由で,非侵襲性のため繰り返し検査が可能であり(特に重症患者の検査が容易),軟部組織の描出に優れているため,組織学的診断が可能である.装置もコンパクトで設置が容易なため,病室などへの移動も簡単である.短所としてはガス,骨などの影響を受けやすく,再現性にやや欠けている点であろう.
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