特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅰ.エディトリアル
エコー検査を自分でするとき頼むとき
金田 智
1
1東京都済生会中央病院放射線科
pp.6-9
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103036
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厚生労働省の医師臨床研修の到達目標によれば,超音波検査は,「病態と臨床経過を把握し,医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を,自ら実施し,結果を解釈できる」検査とされている.臨床研修の目標と掲げているからには,医師であればだれでもできなくてはならない検査と認識しているということであろう.だが,研修医や非専門家が十分に使いこなせる検査とはとてもいえない.
非専門家として検査を行うとなると,どのくらいの経験が必要なのであろうか?腹部エコーに関してはきちんとした指導の下で200例くらい経験すれば,ようやく一通り臓器が描出できるというレベルだと思われる.では,診断能はどうであろうか?現実的にはさまざまな難度の疾患があり,一概には評価できない.例えば,胆石の診断はそれほど難しくないが,膵癌の診断はやはり非専門家には難しい.したがって,臨床研修の到達目標には「超音波検査ができる」というあいまいな表現でなく,具体的にどのような疾患または病態の超音波診断ができるようになるべきか明記されなくてはならない.それは緊急に判断する必要性があって,しかも比較的初級者にも描出でき,診断も可能なものといえるであろう.具体的な疾患や病態のリストを示す(表1).
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