連載 内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムへの対応・9
摂食障害
中尾 睦宏
1
1帝京大学医学部衛生学公衆衛生学・心療内科
pp.1790-1793
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102949
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心療内科では摂食障害を診る機会が多い.例えば東京大学医学部心療内科の外来統計では,初診患者の約12%が摂食障害のため来院していた1).摂食障害のなかでは「神経性食欲不振症」と「神経性過食症」が一般的であるが,これら2つの疾患は相反するものではなく,多くの特徴を共有している2,3).両者の診断基準を満たさない摂食障害は「非定型的(もしくは特定不能の)摂食障害」と呼ばれ,特に「むちゃ食い障害(binge eating disorder)」が最近注目されている4).摂食障害とは,食行動の持続的な障害で,西洋社会では若い女性の主要な疾患となっている.身体的な健康や心理社会的な機能に影響を及ぼし,心身両面に重大なダメージを与えることが多いので,内科医としては一通りの知識は押さえておきたい.
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