特集 よくわかる! 精神疾患対応 これ1冊―内科医と精神科医の連携のために
第2部 精神科との連携が特に必要な領域
9 摂食症(摂食障害)
田中 聡
1
1国立病院機構東尾張病院
pp.86-91
発行日 2024年3月26日
Published Date 2024/3/26
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000659
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Summary
1.摂食症(摂食障害)の治療は,特に著しい低体重を伴う場合は各科専門医・多職種の関与の下で行われることが推奨されている.
2.過体重をきたす場合は,一般の肥満症に準じる身体管理が必要となるが,自己誘発性嘔吐や下剤濫用などの排出行動がみられる場合は,さらにそれらを考慮した対応を付加する必要がある.
3.低栄養・低体重をきたす場合,身体合併症は,神経系,循環器系,呼吸器系,血液系,免疫系,腎・内分泌・代謝系,消化器系,婦人科系,整形外科系などあらゆる領域で発生する.これらには,単にQOLを下げるだけでなく,直接的に生命を脅かすものも含まれる.
4.低栄養に伴う合併症には治療前の低栄養状態で発生するものだけでなく,再栄養療法の過程で生じるものも多い.治療により患者の苦痛や身体リスクが逆説的に増加する時期があり,医療者には十分な説明と支持的なかかわりが求められる.
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