書評
喘息の診断・管理―NIHガイドライン 第3版
浅井 泰博
1
1地域医療振興協会湯沢町保健医療センター地域家庭診療部
pp.134
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102705
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米国の喘息ガイドラインである『National Asthma Education and Prevention Program, Expert Panel Report:Guidelines for the Diagnosis and Management of Asthma Update on Selected Topics 2002』の邦訳である.初版はオリジナルが1991年,日本語版は1993年に発行された.日本語版は第3版となっているが,第2版(1991年)の一部のトピックスについて2002年にアップデートされたものである.日本語版が待ち遠しかったがようやく2006年になって発行された.
日本語初版が発行されたとき,私はちょうど瀬戸内海に浮かぶ島の町立病院に赴任していた.夜間は定期船が運行していないので時間外患者はすべて受診していた.喘息発作患者も多かったが,普段の治療は気管支拡張薬は十分すぎるほどであったが吸入ステロイド薬はわずかの患者にしか使われていなかった.病院の内科医師は一丸となって兎にも角にも吸入ステロイドを導入した.効果がないとすぐに止める人もいて,経口ステロイドを数日間は服用してもらいながらであった.1年足らずで徐々に喘息発作の受診が減っていくことが実感できた.喘息治療の流れが変わっていくにちがいないと思った.
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