焦点 看護学における先端科学の推進—看護学のCOE形成に向けて
先端科学研究のメッカ:米国国立衛生研究所(NIH)について
前田 ひとみ
1
1熊本大学医療技術短期大学部
pp.23-29
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900540
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はじめに
アメリカ合衆国の首都であるワシントンD. C. に隣接するメリーランド州ベセスダに,米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:略称NIH)のメインキャンパスがある。NIHは衛生機関の1つであるが,アメリカ合衆国最大の生物医学研究所でもある。昔,ゴルフ場だったというベセスダのキャンパスは300エーカー(1.2km2)以上の広さをもち,木々や芝生の緑に囲まれ,りすや鹿も訪れる自然豊かなところである。
NIHには博士取得者が約6,000人働き,年間7,000以上の論文が世に送り出されていると言われる。NIHは,ベセスダ以外にもフレデリック,バルチモア,ロッキーマウンテン等にも研究施設をもち,おそらく世界最大規模の生物医学研究機関といっても過言ではないであろう。また外国人研究者として日本人研究者も常に400人以上がNIHで働いていることから考えると,日本人にとってもNIHは最大の生物医学研究施設と言えるのではないだろうか。
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