書評
感染症入門レクチャーノーツ
松村 理司
1
1洛和会音羽病院
pp.128
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102704
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卒後2年目の研修医の大野博司君が,私の前任地の市立舞鶴市民病院を訪ねてきたのは,2002年の夏であった.“大リーガー医”の見学のためである.医学生時代に,来日中であったカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部の一般内科の泰斗であるローレンス・ティアニー先生の鑑別診断力に接し,痺れてしまったとの由であった.「心臓外科医の道は辞めました.ともかくティアニー先生に追いつき,追い越したい」との青雲の志も耳にした.
そのときに大野君は,ティアニー先生共著の『Essentials of Diagnosis & Treatment』を持ち合わせていたが,それへの実にびっしりとした書き込みを覗いた私は,彼の「医学書読破力」を確信した.「書く力」は未知数だったが,2003年春に舞鶴に異動してきた彼は,書く機会も欲しいという.私たちの共著『診察エッセンシャルズ』(日経メディカル開発)の骨子は,その後の約半年に及ぶ大野君の不眠不休の持続力に負うところが大きいが,「医学書執筆力」もかなりは実証されたといえる.「スーパーレジデント」の呼び声は,偽りではなかったようだ.
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