今月の主題 内科医と虚血性心疾患
虚血性心疾患を疑うとき
虚血性心疾患と間違えやすい疾患と鑑別のポイント
小牧 宏一
1
,
斎藤 穎
1
1日本大学医学部内科第2部門
pp.9-11
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102463
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ポイント
・痛みの部位:虚血性心疾患は前胸部がほとんどで,時に放散痛があるが,他の疾患は原因疾患に依拠する部位に痛みがみられる.背部痛を伴うときは,大動脈解離に注意が必要.
・持続時間:原因となる病態が消失するまで胸痛が続くのが原則.労作性狭心症は1~15分.長い胸痛は心筋梗塞症,大動脈解離,心膜炎,気胸など.
・誘 因:呼吸で増強するのは心膜炎,胸膜炎,特発性肋軟骨炎.体位が影響するのは心膜炎.食事と関連があれば,上部消化管疾患の可能性あり.
・随伴症状・所見:肺・胸膜疾患は咳嗽や呼吸困難を伴う.不定愁訴を伴う場合や,訴えが一定でないときは精神疾患.
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