カラーグラフ 手で診るリウマチ(8)
デュピュイトラン拘縮(Dupuytren's contracture),ばち指(digital clubbing)
上野 征夫
1
1寿生病院
pp.1450-1451
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102183
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デュピュイトラン拘縮(Dupuytren's contracture)とは,手掌筋膜(腱膜)の線維性肥厚のことを指す.1831年に,フランスの外科医Guillaume Dupuytrenが局所外科的所見を詳しく報告した.
症状は,手掌の皮下に触れる索状の筋膜肥厚である.両側性に出現し,頻度は環指,小指,中指の順に多く,示指,母指に発生することは少ない.最初,手掌の遠位に小さな皮下結節として現れ,長い年月をかけて,次第に縦に伸びた索状物として触れるようになる.それによって指は拘縮し,持ち上がってくる(図1).まず最初にMCP(metacarpophalangeal)関節で屈曲し,次にPIP(proximal interphalangeal)関節で曲ってくる.進行した例では,指に著しい屈曲を残して固まる.痛みを伴わないため,発症時期がいつかわからないことがほとんどである.増殖した筋膜線維は,皮下組織と癒着する.そのため,周囲の皮膚に凹凸を作る.
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