連載 日常診療の質を高める口腔の知識・1【新連載】
口内炎とステロイド軟膏
岸本 裕充
1
1兵庫医科大学歯科口腔外科学
pp.184-187
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101987
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古くから「口腔は全身の鏡」と言われ,診査・診断上とても重要な臓器であるとされているにもかかわらず,口腔の診査は軽視されがちです.舌や頬粘膜のような直視できる部位に進行癌を生じて歯科口腔外科を受診した患者さんに,「最近カゼや腹痛などで内科を受診しましたか?」と尋ねると,Yesという場合が少なくありません.口腔癌は胃癌や大腸癌のように透視や内視鏡などの検査をしなくても,視診と触診のみで,少なくとも「怪しい」と思うことは可能でしょうから,受診した際に発見されていれば,と考えると残念でなりません.
最近,「誤嚥性肺炎の予防に口腔ケア」が有効とか,NST(栄養サポートチーム)の結成で「経口摂取の重要性」が見直されるなど,口腔のことが少し注目されるようになりました.そこで今月から,みなさまの明日からの臨床にすぐに役立つ口腔関連の情報をお届けしていきますので,どうぞよろしくお願いします.
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