特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
外来でできる迅速キット検査
妊娠反応
下平 和久
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科学教室
pp.62-63
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101725
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
「外来で行う迅速キット検査」における妊娠反応とは,尿中hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン:human chorionic gonadotropin)の定性検査のことである.hCGは分子量38,000の糖蛋白ホルモンであり,α,βの2種類のサブユニットより二量体を形成する.絨毛で産生されるため,男性や非妊娠女性では測定されないのが正常である.尿中においてhCGが検出されるときは,体内に絨毛が存在することを想定して,妊娠または妊娠性の疾患を鑑別する必要がある.また,一部の悪性腫瘍では絨毛以外の組織でhCGを産生する場合もある.以下に鑑別すべき疾患を挙げる.
正常妊娠
子宮外妊娠
流産
絨毛疾患(胞状奇胎,絨毛癌,存続絨毛症など)
異所性hCG産生腫瘍(卵巣癌,子宮頸癌,胃癌,肺癌,膀胱癌,睾丸腫瘍など)
不妊治療などでhCGなどの投与を受けている場合
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