特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
外来でできる迅速キット検査
インフルエンザウイルス抗原検査
三田村 敬子
1
,
山崎 雅彦
2
,
市川 正孝
3
1永寿総合病院小児科
2座間小児科診療所
3伊勢原協同病院小児科
pp.54-56
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101723
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
インフルエンザウイルスはA,B,Cの3つの型があり,本邦で冬季に流行するインフルエンザはA型およびB型インフルエンザウイルス感染症である.A型とB型のウイルス粒子表面にはヘマグルチニン(HA:16種)とノイラミニダーゼ(NA:9種)の糖蛋白抗原があり,A型はその組み合わせによる亜型に分類される.A型は人畜共通感染症で,近年,ヒトではH1N1(ソ連型),H3N2(香港型)が連続変異を起こしつつ流行しているが,鳥を中心とする動物では多くの亜型が存在する.
インフルエンザウイルス抗原検出試薬キット(以下キット)の測定原理は,A型とB型インフルエンザウイルスそれぞれの核蛋白に対するモノクローナル抗体を用いた免疫法である.2005年からは国内のすべての試薬が1ディバイスでA型とB型を鑑別するタイプとなった.試薬担体の固相抗体と展開する抗体の2つの抗体がウイルス抗原と結合した免疫複合体が判定部に凝集したところを,目視によって判定する.
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