特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
一般検査
髄液その他の穿刺液
髄液検査
渡邊 卓
1
1杏林大学医学部臨床検査医学
pp.50-52
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101722
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
脳脊髄液(髄液)はくも膜下腔および脳室を満たす無色透明な水様の液体で,主に脳室の脈絡叢より産生され,最終的には脳表のくも膜顆粒より静脈系に回収される.髄液は中枢神経系の保護とともに,中枢神経系組織への栄養物質の輸送,代謝産物などの除去などの役割を担うと考えられている.髄液は基本的には血液成分に由来するが,その産生の過程には,単なる透過,拡散のみではなく,能動的かつ選択的な物質の輸送が関与している.
日常診療において,髄液検査は中枢神経系疾患の診断,なかでも各種頭蓋内感染症の診断に不可欠な検査である.このほか,くも膜下出血の診断の決め手になる場合がある.頭蓋内悪性腫瘍,脱髄疾患などの診断にも用いられる.
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