カラーグラフ 足で診る糖尿病(8)
神経障害による足病変:Charcot関節と絞扼性神経障害
新城 孝道
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.1424-1425
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101064
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糖尿病神経障害による足病変は種々あり,骨折や脱臼が生じることは教科書にも記載されている.しかし,実際の臨床の現場で経験することは少ないものと思われる.階段を踏み外したり,高い所から飛び降りたり,落ちたりすると,骨折したのではないかとの疑いが起こり,整形外科を受診したり,単純X線を撮影したりして,容易に診断される.しかし,糖尿病患者ではこのような足への過激な衝撃が及ばなくても脱臼や骨折が起こりやすい.糖尿病患者にみられる骨折は“病的骨折”と称される.
Charcot関節は神経障害性足関節症とも呼ばれ,Hansen病や脊髄空洞症を含む変性性神経障害でも起こるが,臨床的には糖尿病で好発する.障害部位は足が最も多く,膝関節,股関節,脊椎,肘関節などでもみられる.平坦な道での連続歩行や,階段の上下や坂の登り下りで起こりやすい.また,バスのタラップより地面への着地でCharcot関節を生じた例もある.重い荷物を持っていると荷重負荷がかかりいっそう起こりやすい.足では,足趾部,前足部,中足部,後部および足関節部でみられる.
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