今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
最新超音波技術のトピック
Sono CT & XRES
北井 里実
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.301
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101004
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Sono CTやXRESといった,ノイズやアーチファクトの低減を目的とした超音波画像処理が最近話題となっている.Sono CTとは,超音波ビームを最大9方向に走査しリアルタイムに空間合成をすることにより多くの情報を得ると同時に,ノイズの低減を行う技術である.一方,XRESとはMRIで使用するadaptive filterの超音波画像への応用であり,画素の信号に差がある境界部分は明瞭に保ちつつ,内部エコーが不均一なスペックルパターンなどのノイズを目立たなくさせることを目的とした技法である.肝転移の症例では腫瘍の辺縁が明瞭になり,スペックルの軽減も得られている(図1).real time性には通常のBモードに劣るが実際の組織に近い画像が得られることにより,初心者にもわかりやすい画像が得られる.しかしながら,超音波画像診断ではアーチファクトの低減により診断の一助を失う可能性もある.
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