今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈腎(腫瘤性)〉
腎盂癌
大杉 圭
1
,
大熊 潔
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.256
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100964
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腎盂・腎杯粘膜より発生する腫瘍で,その大部分は悪性である.腎原発悪性腫瘍の5%を占める.浸潤性の発育を呈し,腎そのものが腫瘍に置換されるため,大きな腫瘍の場合腎機能は低下する.移行上皮癌(transitional cell carcinoma:TCC)が多いが扁平上皮癌や腺癌のこともあり,この場合はより浸潤傾向が強い.移行上皮癌は多中心性発生をきたすため,尿管腫瘍,膀胱腫瘍の有無を確認することが重要である.
多くは無症候性血尿が認められ,腫瘍や凝血塊による尿管閉塞により側腹部痛や水腎症となることがある.
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